2/12(日)13時より、東京・池袋のとしま産業振興プラザにて、以前から構想・予告していた古代印欧語研究会を開催します。
印欧語族イタリック語派の諸言語(古ラテン語、ファリスク語、オスク語、ウンブリア語、南ピーケーヌム語など)やヘレニック語派の古代ギリシャ語諸方言(アッティカ・イオーニアー方言群、アルカディアー・キュプロス方言群、アイオリス方言群、ドーリス方言群)の特徴をメインテーマに印欧語比較言語学の話をする予定です。
(noteの詳細告知もご覧ください)。
私が言語知識の育成を手がける女神Vtuberアニマ(@anima_divina)のファンミーティングも兼ねています。
私RikuのTwitterアカウント(@anima_solaris)のフォローの他、会の存続のためにアニマの部屋のチャンネル登録を中心としたアニマへの応援もお願いします)。
日本語で読める重要な文献がごく限られる分野なので主要資料は私が作成します。
アニマより古代の地域諸言語を学ぶ意義についての文章が寄稿される予定です。
基本的なところは私が話しますが、双方向型のやり取りができればいいなと思っています。
時間があれば参加者からの発表なども歓迎です。
古代印欧語や比較言語学や興味があってアニマが好きという立場での交流会も兼ねているので、資料として用意した内容以外にも幅広い話ができればいいなと思っています。
今回、古代ギリシャ語の教科書と文学研究で知られる獨協大学の堀川宏先生(@graecamdiscamus)が参加される他、ゲストとして印欧語比較言語学者の吉田育馬先生がいらっしゃる予定です。
終了後には夕食会を考えています(場所は予算・人数・時間の関係で調整中で、この研究会とは別に希望者を募ります)。
主催者主催者のアカウントをフォローしておいてください。
また会の存続のためにアニマの部屋のチャンネル登録をお願いします。
団体名
魂の図書館(Animae Bibliotheca)
日時
2023/2/12(日) 13:00-17:00
会場
東京都豊島区西池袋2-37-4 Ike・Biz としま産業振興プラザ
5階 第1会議室
(池袋駅西口より徒歩10分、メトロポリタン口より徒歩7分)
算出中(多分約1400円くらい、大学生以下減額)
持ち物
紙と筆記用具(メモ用)、スマートフォン(調べ物用)、書類ケース(資料保管用)など
主催者より
西洋古典の世界を彩るラテン語や古代ギリシャ語は日本でも一定の認知度と需要があり、主に大学で学ばれています。
本格的に学んだことはないけど神話や創作や現代西欧語などを通して興味を持っている、という人も多いのではないでしょうか。
時に、単に「古代ギリシャ語」といえば特に前5世紀頃~前4世紀頃のアテーナイのアッティカ方言を、「ラテン語」といえば通常前1世紀頃~後2世紀頃のローマの言葉を指すのが普通です。
前者はいわばギリシャの古典期、後者はローマの古典期ということができるでしょう。
これは故なきことではなく、前5世紀~前4世紀頃のアテーナイや前1世紀~後2世紀頃のローマで後々まで語り継がれる文学作品が多数生まれたことに由来しています。
当然、海上帝国時代のアテーナイや共和制末期・帝政初期のローマの政治的・経済的有力性という背景なども見逃せません。
しかしそうした標準化された古典文学の外に広がる景色にも言語の世界の魅力が溢れていると私は思っています。
古代イタリアはローマ文明の中心地であり、当地の言語といえばラテン語を思い浮かべる人が多いでしょう。
現代イタリアで使われている言語のほぼすべてがラテン語の末裔であることもその印象の強化に繋がっているかもしれません。
ですがラテン語の勢力圏は元々イタリア中西部のラティウム地方に限られており、古代のイタリアやその周辺地域では他にも多種多様な言語が使われていました。
ラテン語と同じ印欧語族イタリック語派に属すファリスク語、オスク語、ウンブリア語、南ピーケーヌム語、パエリグニー語などもそうした地域言語として知られています。
他にイタリック語派の一員ともそれと極めて近縁な独立語派の言語ともみなされるウェネト語なども興味深い存在です。
その多くは最終的に使われなくなりましたが、それでも確かに、様々な想いを抱く話者が生きた証を今に伝えています。 ローマがイタリア半島の覇権を確立した前3世紀以降において比較的長く存続していた言語も少なくありません。
例として今も使われている「イタリア」(Italia)という地名はは南イタリアで使われていたオスク語に由来しています。
オスク語はラテン語に次いで多くの資料を残している言語であり、ラテン語の拡大前はむしろイタリック語派で最も広く使われていた言語でした。
哲学者プラトーンも南イタリアではオスク語の勢力が強く、ギリシャ語はやがて使われなくなってしまうかもしれない、と書き残していたほどです。
さらに古典ラテン語もまたある日突然生まれたわけではなく、さらに古い時代の資料やいくつかの方言記録などを残しており、そうした初期ラテン語や古ラテン語などの資料はこの言語の普段とは違った一面を伝えてくれるのです。
加えて古典期の資料についても、碑文には文学とはまた違った味わいがあり、発見があります。
また古代ギリシャ語は古代言語の中でも特に方言資料が豊富なことで知られ、通例、アッティカ・イオーニアー方言群、アルカディアー・キュプロス方言群、アイオリス方言群、ドーリス方言群という四大方言群に分類され、それぞれの方言群の中にも多様性があることが知られています。
こうした方言記録の豊かさは方言による文学が生まれたことや都市国家分立時代が長かったことなどが影響しているといえるでしょう。
加えてあまりイメージがわかない方もいるかもしれませんが、実はギリシャは神話の時代から南イタリアと深い繋がりがあり、ギリシャ人はイタリア半島南部やシケリアー(シキリア)島に数々の移住都市を築いていました。
古い時代のラテン語にも(主に南イタリアのギリシャ系植民都市を通して、特に初期にはエトルーリア系諸都市経由で)こうしたギリシャ語の種々の方言からの外来語を受け入れてきた歴史があります。
そして何より南イタリアのギリシャ系植民都市(一説にギリシャのエウボイアー地方のカルキス系住民が建てた植民都市クーマエ)で使われていた西ギリシャ文字の一種からエトルーリア文字が生まれ、そこからラテン文字が派生したという歴史も見逃せません。
これらの古代イタリック諸語やギリシャ語諸方言、そして碑文の話は必ずしも注目度が高いわけではないかもしれません。
ギリシャであれローマであれ、後世に語り継がれる名高い文学作品がある中で古代の地域言語や碑文を学ぶ意義はどういう点にあるのか気になる方もいることでしょう。
しかしこうした古ラテン語、イタリック諸語、古代ギリシャ語諸方言について知ることは古典文学のラテン語やギリシャ語について改めて知ることにも繋がり、比較言語学上も有益な知見を多数もたらし、さらには言語の世界の深さやそれを話していた人々の想いや生きた証をより身近に感じることにも繋がっていくと私は考えています。
また日常とは遠い世界にあると思われることの多い比較言語学に対しても、その手法や発想の話を通して親しみを感じてもらうことができればと思っています。
今回はそうした話をしたいというのが私の望みであり、そうした古代の息吹を今に蘇らせ、多くの命が生きた世界に光を当てたいというのがアニマの願いです。
まだ手探りの会であり、活動のための費用も必要で、概要も必要になると思うので必ずしも今回だけで体系的・網羅的な内容にはならないかもしれませんが、資料に加えて口頭での話を含め、言語学の魅力が伝わる会にできればと思っています。
私やアニマも最近企業からラテン語の仕事を依頼される機会があり、今回の会合をさらなる飛躍のきっかけにしたいという想いもあります。
ラテン語Vtuberアニマちゃん(
@anima_divina)が好きな方、古代印欧語や比較言語学に興味をお持ちの方、ギリシャ・ローマの神話や歴史に興味がある方、是非お話ししましょう。
2023/1/22 魂の女神アニマと共に Riku
東京都豊島区西池袋2-37-4 Ike・Biz としま産業振興プラザ
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