詳細 桜ヶ丘町某所。十分な豪邸と呼べる民家の一室、そこには小綺麗に整理され高価そうな大型パソコンが数台並べられている。 しばらくすると、部屋の扉が荒々しく開かれ一人の少年が入ってきた。この家の住民である藤堂武史だ。 彼は部屋に帰ってくるやいなや苦悶の表情を浮かべながら登校用の鞄を両手で床に叩きつける。 「くそ…くそ…! あいつらめ、僕を馬鹿にしやがって…」 歯を食いしばり拳を強く握りしめ誰に言うでもない恨みの言葉を吐く。 すると、そんな彼に応えるようにパソコンのディスプレイの一つが勝手に立ち上がる。ディスプレイには青や紫といった模様が禍々しくうねる気味の悪い背景。そしてその中央に一つの人影があった。黒いマントで身を包み、頭も黒いヘルメットで覆われおり赤い眼光がヘルメットの奥から怪しく輝いてる。 魔王カーンデジファー。別次元からやってきた人間世界とコンピューターワールドの支配を企む悪魔であり、武史に怪獣を作らせ悪事を働かせる張本人である。 「どうした武史よ。今日はいつにも増して憎悪を燃やしているではないか」 「あの酔っ払いども、昼間から酒を飲んで僕に絡んできたんだ」 武史は今日の下校途中に起きた出来事を思い返す。 退屈な中学校の授業も終わり気怠く下校している最中、とある居酒屋の前で大勢の大人が集まりガヤガヤと騒いでいる。 何事かと武史が覗くと大人達の中心には奇妙な人型ロボットが置かれていた。隣に立たれたのぼりには「世界初! 全自動お酌ロボ」と書かれている。どうやらコンピューター管理で酒を注いだりしてくれるロボットらしい。 武史はめがねを上げながらふんと鼻で笑う。 「なんだそんなもの。天才の僕からしたらくだらないね」 「あぁん? なんだ坊主さっきからぶつぶつとよぉ」 ロボットを囲んでいた大人の数人が武史の方に振り向いた。その目は据わっていて相当に酔っていることが伺える。 酔っ払い特有の威圧感に武史は顔を歪ませ一歩後ずさりしてしまう。 「おうおうこちとら毎日あくせく働く大人さまだぞ。敬えよ坊主ゥ」 ふらふらと立ち上がり近寄ってきた一人の中年男性。吐き出す息はアルコール臭く、未成年の武史にとっては異臭でしかなく顔が引きつってしまう。 何より相手は酔って自制の聞かない大人だ。捕まったら何をされるかわからない。 「は、白昼から飲んでる大人なんか!」 半ば強がりを吐き捨て武史は踵を返すと一目散に逃げ出した。 「なんだとこの、おっとっと」 元から真っ赤に染まっていた顔を怒りで更に赤くした男性だったが、千鳥足状態だった為に足下を掬われて転倒。 危険から逃れてきたのだった。 「酔っ払いに酒だと?」 カーンデジファーは初めて聞く言葉に興味を示す。 「人間の世界には酒という飲み物があります。愚かにも人間は酒があればコミュニティは円滑になると信じているのです。でも酒なんて頭を弱くするだけの毒だ! 人間は酒に溺れる生き物なんだ!」 出来事を思い返している内に怒りがぶり返してきた武史は言葉を強くして叫ぶ。 その様子を見たカーンデジファーは新たな怪獣の素になると踏み仮面の奥で愉快そうにほくそ笑む。 「人間を堕落させる飲み物、酒か。武史よ! ならばその酒を利用し、人間を恐怖と混乱に陥れるのだ!」 命令を聞いた武史は頷くとパソコンの前に座り素早くキーボードを打ち始める。得意のCGを使い新しい怪獣を生み出そうとしているのだ。 「そんなに酒が好きなら、死ぬまで酒を飲ませてやる。僕の怪獣でね…酩酊怪獣、ヘベレドン」 「うーむ、上出来だ。ヘベレドン、我が下部よ。コンピューターワールドを破壊し人間どもを苦しませるのだ。フン!」 カーンデジファーの腕の先から青白い光線が放たれ怪獣のCGに当たると、瞬く間にリアルな質感が出来始め、生きた怪獣へと変貌を遂げる。 ヘベレドンは産声の雄叫びを上げるとパソコンから電線を経由して移動。居酒屋に置いてあったお酌ロボのコンピューターワールドへと潜入した。 持ち場についたヘベレドンは徹底して目に付く建造物を殴り、踏み潰し、徹底的な破壊を始めた。 その影響はすぐに人間世界のお酌ロボに影響を及ぼす。一瞬ショートしたかのように電流が走ったかと思えば、お酌ロボは内蔵されていた酒入りの一升瓶を取り出すと近くに座っていた客の首根っこを掴みそのまま持ち上げてしまう。 「な、なんだいったい!?」 「オサケヲドウゾー! オサケヲドウゾー!」 合成音声特有の無機質な声色で同じ言葉を連呼しながらお酌ロボは一升瓶を客の口に突っ込み、強引に胃に流し込む。 「んぼぼぼぼぼ!?」 もがいて脱出を試みようとするが、お酌ロボの握力はすさまじくどれだけ揺すっても振り払えない。 やがて酔いが手がだらりと垂れ下がったころにようやくお酌ロボが手を放し客を解放した。急性アルコール中毒で転げ落ちた客を見届けたお酌ロボは次の獲物を探そうと周囲を見回す。辺りには一連の出来事を唖然として見ていた店員や他の客の視線が集中していた。 「ツギノカタドウゾー!」 お酌ロボが動き出すとそれが合図となり全員が悲鳴を上げて我先にと逃げ出した。 次々と襲われる大人達。 次々と病院へ搬送される被害者。 このままではお酒は悪魔の飲み物になってしまう。 急げ! 直人! ゆか! 一平! 緊急出動だ! グリッドマン! 次回、電光超人グリッドマン。君も、アクセスフラッシュ! 力を入れるところが違うと気付いて割愛 概要 12/30(日)のコミックマーケット2日目の打ち上げです。 基本的にはいつも通り。みんなで集まって食って飲んで好きなことを語ってください。 打ち上げ会場 いつもの。晴天の月 お値段飲みホ付きで6000円となりまする。 「たけーんだよもっと貧乏人に配慮しろ!」という場合は飲みホ5000円コースも考える。 集合場所 ビッグサイトのローソンエントランス店前のラウンジ周辺 当日の流れ 16:00 コミケ終了 16:00~17:30 集合場所に集合 17:30~18:00 打ち上げ会場へ移動 18:15~20:15 会場到着。打ち上げ 20:15~ 打ち上げ終了予定。その時によってはアラカルトを頼んで延長しつつのんべんだらりと? こんな感じ。 何か要望・質問があればどうぞ。 場所 東京都品川区大井1-11-3 道順を調べる 参加を締め切りました 参加者 (8人) 興味あり (0人) 不参加 (1人)
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