詳細 アドルフ・アイヒマンはナチ政権下、ゲシュタポで「ユダヤ人問題」を担当する部署の課長を務めていた人物です。戦後逃亡先のアルゼンチンで捕らえられたアイヒマンはイェルサレムで裁判にかけられます。本書は哲学者ハンナ・アーレントによる、アイヒマン裁判の報告です。ドイツ出身のユダヤ人であったアーレント自身も戦時中ドイツを逃れてパリに亡命しています。 史上例を見ないジェノサイドの当事者アイヒマンとはさぞや冷血で狡猾な悪人なのかと思いきや、アーレントの描くアイヒマンは、まったく真面目で凡庸な人間であり、タイトルにもあるとおり「陳腐」ですらあります。アーレントが断固拒否するのは「極悪非道なナチと善良で純粋な被害者ユダヤ人」という分かりやすい、それゆえ多くの人に受け入れられやすい構図です。そのためにはユダヤ人自身の責任を問うことも辞さない本書はユダヤ人社会からも強く批判されました。 昨今のニュース番組でも私たちはあまりにもしばしばこのような分かりやすい構図を目にしています。本書は私たちがいかにこの構図に慣れきってしまっているか、そして悪とはかくも私たちの身近にあるのだということに気づかせてくれます。なぜならアイヒマンをしてジェノサイドをなさせたのはまさに彼の「陳腐さ」だからです。私たちは自分の周りや、あるいは自分の中にすらアイヒマンをあまりにも容易に見つけることができるでしょう。 【課題図書】『イェルサレムのアイヒマン 悪の陳腐さについての報告』みすず書房 ポハンナ・アーレント 著 大久保和郎 訳 【日時】1/29(金) 19:30~21:30 ※途中入退出自由 【場所】パルル/parlwr 名古屋市中区新栄2丁目2-19 【お問い合わせ】nagoyacluster@gmail.com 【参加費】500円 【参加方法】Twiplaより参加表明 (nagoyacluster@gmail.com に直接連絡頂いても結構です) 場所 名古屋市中区新栄2丁目2-19 道順を調べる 参加者 (4人) 興味あり (0人) 不参加 (0人)
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