ミルチャ エリアーデ「聖と俗-宗教的なるものの本質について-」(法政大学出版界)の読書会の3回目です。
一回目の開催時(5月5日)には「序章」と「第一章」を読み進め、
二回目(6月21日)に「第二章 聖なる時間と神話」を読み、
三回目(7月18日)で「第三章 自然の神聖と宇宙的宗教」を読みましたので
今回は「第4章 人間の生存と生命の浄化」を読みます。
日程および場所はまだ確定しておりませんので
ご参加いただける場合は日程のアンケートにお答えいただけると幸いです。
場所は名古屋市内の公民館を予定しております、今回はアクセスの良い場所に出来ればしたいのですが…。無理でしたら申し訳ありません。
5月から一章ごとに読んできた感覚から言うと
4章が一番面白いと思います。たぶん。
ですので1~3章を読んでいらっしゃらない方が突然来ていただいても大丈夫だと思います。(必要な部分は口頭で補足いたします)突然のご参加、大歓迎いたします。読書会は少人数でも催行可能な素敵なものですが、もう少し人数がいても良いのかなと思っております(笑)
理論を読む理由はさまざまですが、基本的にはあるトピックについて思考を深めるために必要なロジックを得たり、誰かと問題意識を共有するためのツールとして利用するのが基本かと思います。
なので、一冊の理論書すべてを必ずしも読み通さなくとも(もちろん読み通せるならばそれに越したことはないのですが)最も興味深い、関心がある箇所のみを読むだけでも大変有用です。
繰り返しますが4章が最も面白いかと思います。僕もこれから読むのが楽しみです。
もちろん途中参加、途中抜け可能です。
本を読むということは著者が仕掛けた細部を丁寧に読むということですので
細部に至るまできちんと読むことを心がけますが、いつものように楽しく脱線しながら(私が脱線させるんですけどね)やっていきたいと思います。
それではどうぞよろしくお願いいたします。
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1960年代後半の左翼運動の失速後、運動に失望した人々がオルタナティブとして求めたのが宗教「的」なるもの、いわゆる「霊性文化」であった。
人々が「霊性文化」を求めるその波は、70年代の民俗学のリバイバルブームを経て、80年代には高度経済成長下での資本主義消費社会とは「別の世界」を提示し「癒し」を与えるものとしてスピリチュアルなものの商品化によって加速し、90年代にはバブル経済の崩壊による不安から、スピリチュアルなものへの注目はますます高まり、オウム真理教的新興宗教を受け入れる地盤を形作る。
オウム事件を経た現在においては霊性文化に対する関心は80年代のブーム時と比べれば下火になってはいるものの、依然「オカルト」や「占い」に対する関心は褪せておらず、吉本ばななや村上春樹が多くの読者を獲得し「物語」による「癒し」が人気を集める今日の文化状況は、かつてのブームと相同する部分を持ちながら、新しい「霊性文化」のあり方への人気が高まっているように思われる。
また別の角度から考えてもISISのような資本主義文明に対する宗教の側からのテロリズムなどの事態を鑑みても、現代文明を考える際に宗教は外すことの出来ないファクターとして存在する。