岐阜大学教授近藤真先生講演会「自民党による憲法改正案の問題点を考える」

この7月の参院選で自民党が勝利すれば、この憲法改正は現実のものになる可能性があります。

ところで、この憲法改正によって私たちの社会はどのように変化するのでしょうか。どのような未来が私たちを待っているのでしょうか。

今回、岐阜大学教授近藤真先生をお招きして、この問題について講演をしていただくこととなりました。

皆様こぞってご参加ください。

参加費：一般1000円、学生500円（場所代、講師交通費として。ご理解いただくと幸いです。）

参加方法：ⅰ）ツイプラに登録、ⅱ）裏方（@yasuhitoakita)までDM、のいずれかで参加意思を伝えていただけると助かります。勿論、当日の飛び入り参加も歓迎です！

本イベントについてより詳しい解説を主催者からいただきました。以下に掲載します（2013/6/8)

‐「基本的人権」の制限、「男女平等」の撤廃、「福祉国家」の放棄の危機‐

 自由民主党の憲法改正草案を考える会

＜講演会趣旨＞

 今回は「生活者」として憲法を見つめ、私たちの生活を脅かす政府与党自由民主党が2012年10月に提出した日本国憲法改正草案を、私たち、一人一人の問題として考えることを目的としています。

私たちを取り巻く生活は国の制度によって大きく左右されています。日本の社会的制度を鑑みますと、私たちは多種多様な問題に直面する昨今となっています。日頃、各研究分野より、この国の制度を各方面からより良きものとし、一人一人が暮らしやすいように尽力する試みが不断に続けられる一方で、政府による「憲法改正」はこの努力を無に帰するものであることが明らかとなりました。

  現在、憲法改正をより容易にする憲法第96条の改正が話題となっています。しかし、その先には政府与党自由民主党が考える憲法の大幅な改悪が待ち受けているのです。

  憲法問題は各条文により、様々な争点が存在しますが、その中で今回、特に取り上げるのが憲法第13条、第24条および第25条の改訂です。結論から申しますと、この3つの条文の改悪により、「基本的人権」の制限、「男女平等」の撤廃、「福祉国家」の放棄の危機が生じているのです。

 

l   憲法第13条は個人の尊重（尊厳）、幸福追求権及び公共の福祉を定めている。

l   憲法第24条は「家庭生活における個人の尊厳と両性の本質的平等」を定め、いわゆる「男女平等」が謳われるものである。

l   憲法第25条は「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」を定め、国民の「生存権」を規定しさらに、国の「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進」の使命を定めている。

 

政府与党自由民主党の、この改訂草案では、第13条で「公共の福祉」が「公益および公の秩序」に書き換えられています。第24条では個人よりも「家庭」が優先され、「家庭内」での相互扶助が謳われ、また第25条では国民生活を良好に保つために「国民の協力」を条文に付け加えられています。これらを総合すると、国民の人権は「公益」によって制限されること、国の国民生活に対する責任の後退、または放棄を憲法内にとりいれたことと考えられます。

このような改悪は私たち生活者としての一人一人の生活に直接影響を与え、現在よりも生きにくい、生活を苦しくするものです。

憲法学を専門としない、一般の人々や、各他分野の研究者にとって、憲法は理解が難しく、日頃は見過ごすことが多いのですが、今回の自民党の憲法改正草案は、決して看過できないものとなっています。そうしたことから、一人一人の人々にその重大性を問題提起する機会として、憲法改正の意味と危険性を岐阜大学地域科学部教授、近藤真先生に解説を頂き、みんなでこれらの問題に取り組もうというものです。

 

＊岐阜大学地域科学部教授 近藤真先生

専門は憲法学。

著書・論文：環境と民主主義―発想の転換、ニュージーランドの在外選挙制度、ニュージーランドの行財政改革―福祉国家の現実など。

特に生活をする一人一人の国民が安全に安心して暮らしを送るために、憲法学の見地から研究と教育を行ってこられました。この自民党改憲草案問題に関して、司法関係者のみならず一般市民を対象とした講演をこれまでに多数行われてきています。

今回は近藤先生に私たちの暮らしに直結する、憲法改正草案の問題点を取り上げて、解説頂きます。